<ステムベアリングの換装>

本日、97,300kmでステムベアリングを換装した。 この作業は一人ではかなり難度が高いので助手がいることが望ましい。

ステムベアリングのがたつき

必要部品  

ステムベアリング (上下共通部品)93399-99932 \2,163×2
シール ベアリング下部      3FV-23462-00  \1,040×1
ゴムワッシャ           90202-30235 \79×1

必要工具

32mmソケット/ブレーカーバー
12mmソケット/エクステンション/ユニバーサルジョイント/ラチェット
12mmスパナ×2
ベアリングインストーラー
打撃用ハンマー
4/5/6/8/19mmHEXレンチ
バイク用ジャッキ(L字アーム)
ステアリングステムインナーレースリムーバー (S−09941-54911-000 鈴木SST¥7680) ※廉価版インナーレースリムーバー
リングナットレンチ 12.7sq用 (90890-01403 ¥3630/3900)

ステムベアリングハンマー/ステムベアリングインストーラー

無い場合 30mmコンビネーションレンチ(打撃用ゆえ安物が良い)
+鉄パイプ(規格モノ外径37mmあたりか 兎に角ステム上部から30mmめがねレンチを打てれば良い)

トルクレンチ(対応100Nチョイまでのモノ)12.7sq
ソケット ベアリング/シールドライバー
グリス
パーツクリーナー

金属磨き(ピカール等)
耐水ペーパー(粗目/中目)
ラスペネ等
エアハンマー/チゼル
チゼル

手順

まず、アクスル廻り止めボルト(6mmHEX)を緩め、Fホイールアクスル(19mmHEX)を緩める。

左右のブレーキキャリパ(12mm×4/※+5mmHEX×2?CEOは変更除去済)を外し、袋でウインカーに吊る。

センタースタンドを掛け、下からバイク用ジャッキを掛け、フロントを上げる。

アクスル廻り止めボルト(6mmHEX)を外し、Fホイールアクスル(19mmHEX)を抜き、ホイールを外し、カラーを確保しておいておく。

フロントフェンダーを外し(4mmHEX×4)、ステム上下のフォークブラケットボルト(6mmHEX×6)を緩め、フォークを抜く。

ハンドルバーホルダーを外し(8mmHEX×4)、養生してインナーカウルに乗せておく。

ステアリングステムナット(32mm)を外し、ロックワッシャを抜き取り、ステムを下に落ちないように確保しておき、リングナット×2(リングナットレンチ)を緩める。リングナットの間のラバーワッシャは要交換消耗品。(コレがハンドルロック穴の位置決めをしている)

ステムのロワーブラケットを確保したら、フレーム上部のベアリングインナーレース/ボールレースを回収し 、上下のアウターレースとロワーブラケットのインナーレースにラスペネを噴霧しておく。

暫くしたら、ステアリングステムインナーレースリムーバーと鉄パイプ/ハンマーを用いて上下のアウターレースを叩いて抜き取る。
5LV/FZS1000等とは異なり、下側もフレーム側切り欠きが省略されているので 上記SSTが無いと作業がかなり煩雑になる(貫通ドライバー等で撃ち抜くか?)ので、購入をオススメする。SSTがあると然程の事も無い。

ロワーブラケットにステムナットを着けて(ねじ山を傷めない為の養生用)、床にダンボール等を引いて、奥側にずれないように工夫して、後ろ側(鈍角側)からエアハンマー/チゼルを当ててインナーレースを浮かせる。(今回、初めてエアハンマー/チゼルを導入したが、一瞬でこの最初の難関をクリア出来た。普通なら30分程度格闘が必要)

後は、地道にハンマー/タガネで打撃用30mmスパナ部が入るまで隙間を広げる。スパナ部が入ったら、ステムナットを外して天地逆にして、スパナ部の柄を下に叩いてインナーレースを外す。この作業はかなりの肉体労働。

ロワーブラケットの傷を極力均し、底のゴムキャップを外し、センターシャフトの底だけ設置するような台の上に乗せ、新しいインナーレースを30mmメガネ部と鉄パイプ/ハンマーで打ち込んでいく。打音が変わるまでキッチリ打ち込む事。

ベアリングアウターレースが入っていたフレーム内上下のバリを中目あたりのペーパーで均して(迂闊に触ると簡単に指を切るので今後の事を考えてバリは必ず均しておく事)から、清掃/ピカール等で研摩し、新しいアウターレースを打ち込む。上下とも打音が変わるまでキッチリ打ち込む事。コレを打ち込む際には安物のベアリングドライバーより剛性の高い貫通ドライバー等の方が良いか。厳密にやるのならノギスで全周の深さにばらつきが無いことを確認しておくと良い。

ベアリングに給脂する。手に盛るようにグリスを取り、手にベアリングを押し付けるようにして、隙間から裏側にグリスが出てくる位押し込むと良いようだ。アウター側とインナー側には薄く塗る。

ロワーブラケットのオイルシールと上側のベアリングカバーにも給脂し、インナーレースにシールを被せて、ベアリングを置き、下からロワーブラケットを挿し込み、上から出てきたらベアリングとインナーレースを乗せ、ベアリングカバーを乗せてリングナットを仮締めして落ちないようにする。

ここでベアリングを馴染ませる為に左右にブラケットを動かし、異常が無いかも確認しておく。ムラがあるようなら要確認。

リングナットレンチとエクステンション、トルクレンチで1回目の締め付けをする(52Nm) 。
一度緩め、二度目の締め付けをする(15Nm)。スムーズに動く事を確認して、ゴムワッシャ、アッパー側リングナットを軽く締め、ロックワッシャを入れ、アッパーブラケットを乗せ、ワッシャ、ステムナットを軽く締めておいておく。

フロントフォークを戻し、上部ピンチボルトをフォークが抜けない程度に仮締めして左右とも保持したら、突き出し量を揃えて下のピンチボルトから均等に4本、本締め(28Nm)して、上のピンチボルトも本締めする(26Nm)。それから、ステムナットを本締め(113Nm)する。
(こうするとフォーク/ステムのバランス精度が揃うようだ。)

ハンドルホルダーを締めこんで(23Nm)ハンドルを戻し、フェンダー(6Nm×4)を取り付け、ホイールにスペーサーを取り付け、シャフトを戻して組み付ける。

ホイールアクスルを本締め(72Nm)し、回り止めボルトを入れ(20Nm)、キャリパを取り付け(40Nm)てジャッキを下ろして終了。

以前と細部が異なっている点は、今回助手を務めて戴いた元メカニックのSada tdm氏のアドバイスが大である。多謝!

2009/06/13