<マスターシリンダーの整備>

マスターシリンダーも消耗品であり、キットは定期的に交換が必要である。これを怠っていると、ブレーキの利きも悪くなっていき、最悪フルードが漏れ出してくる。
そうなるとフルードの付着した部分のカウルは崩壊したり、塗装面も酷い事になるので注意である。CEOは100,000kmを目処に交換予定にしている。(現在87,000km強) (追記 結局、丸4年直前の167,000kmでのブレーキホースやダイヤフラム、FRマスター共の交換となった)

調達部品

シリンダキット、マスター(F)  5DM-W0041-50   1550/1441¥
シリンダキット、マスター(R)  4BP-W0042-50(or3TU-W0042-51) 3070/2855¥

Rマスター 補修用サークリップ 単体  3LN-2585G-00 85/79¥ これは、交換しない分解整備時にのみ調達 上記キットにも付属している

必要工具 

ヘキサレンチ 5mm
メガネレンチ 12mm、10mm
プライヤー
スナップリンクプライヤー (穴用)
ホーニング用軸ブラシ、ドリル等
ピックツール
パーツクリーナー
グリス各種
メタルラバー
金属研磨剤
布等

まず、リザーバータンクのブレーキフルードを抜く フルードの全交換も同時に行うと効率は良いだろう。(参照 ブレーキキャリパ―のメンテナンス)

リザーバータンク本体とダイヤフラムの点検もしておく。問題があるなら交換。無いなら清掃をしておく。

マスターシリンダーを取り外す Fは12mmと5mmヘキサ×2、10mmと5mmヘキサ Rは12mmと5mmヘキサ×2、コッタピンと10mm×2

ダストカバーを外し、サークリップを外してインナーキットを取り出す。スプリングの張力で普通は出てくる。スムーズに出てこないときは内部の程度は良くないことが多い。
点検して問題が無ければ、パーツクリーナー、ブラシ、ピックツール等で清掃する。

Rマスターシリンダーキットは既に組み上げられているがFマスターキットは自分で組み上げなければならないので難儀である。具体的にはキットにカップシールを組み付ける訳であるが、キットの径に対してゴムのカップシールの内径はギリギリなので、組み付けるには工夫が必要である。無理やり押し込むとシールを傷めかねない。

専用工具のインストーラーもあるようだが、ヤマハには指定が無いので、CEOはシリンジのキャップを利用して、細かい段差はテープを巻いてメタルラバーを吹き付けて組み上げた。ペンのキャップ等も使えるだろう。方向だけは間違えないようにしないと、外す際に傷める可能性も高いので注意。カップの外に向かって閉じている方がつくのが正解である。つまり、シリンダーの奥のシールは外に向いて広がっているので、両方とも同じ方向を向くことになる

各部にメタルラバーを吹き付け、組み上げる。無いならカップ部にラバーグリスかシリコングリスを塗り、他の部位にはフルードを塗布して馴染ませておき、組み上げる。
サークリップには表と裏があるので注意。角の立っている方を外側に向けて取り付ける事。

レバーやロッド等をグリスアップして組み付け、ホースを繋ぎ、フルードを入れてエア抜き等を行い、終了。

2003/11/29



Fマスターシリンダーキットへのゴムカップを取り付け画像

セロファンテープを巻いて組み付けたが、既に外してある。
注 ゴムカップの方向が逆である! 真似して間違わないように(苦笑)