<FZS1000 FAZERとは? >

FZS1000 FAZERとは、ヤマハ発動機(株)が、2001年より発売したバイクである。
それまでにも発売されていた、FZS600 FAZER や、FZ400 の上位機種として位置付けられ、欧州、北米(FZ1のネーミングになるが、ほぼ同一)、国内市場(逆輸入)において、現在まで概ね好調なセールスを記録している。
エンジンは、YZF-R1のものをベースにした、非常にコンパクトな998cc、DOHC5バルブエンジンで、その為によくR1のネイキッド版(?)等と呼ばれる。
R1がほぼワインディングに特化しているのに対し、FZS1000は街乗りからワインディング、高速走行、ツーリングと汎用性が高いのが利点である。また、現在までほぼ改良点が皆無なのも、このバイクの完成度の高さを証明しているといえるだろう。

CEO インプレッション

01’FZS1000 黒 2001/07/14より現在(2003/05/16)まで36800km走行

CEOは身長176cm,体重69kg前後である

良い所

充実した装備

センタースタンド(整備する気が少しでもあるのなら絶対必要。最近の傾向として、無意味に軽量化を図る為か、オプション化されている事も多い)

時計 (あると非常に便利)

ツイントリップメーター (ツーリング時や区間距離測定に便利)

ハザードランプ(非常時等にあると便利)

F,R共にMOSモノブロックブレーキキャリパー(信頼できるブレーキ性能、扱いやすく非常に良く効く)

21Lフュエルタンク+フュエルメーター+電磁ポンプ(21Lもある為、非常に行動レンジが長い。普通に300km+は行ける。フュエルメーターも信頼性が高く、ガス欠の心配が非常に少ない。ちなみにフュエルコックはタンク裏面にあり、整備時以外使用しない。電磁ポンプ式も、単純なバキューム式に比べて信頼性が高く、ガソリンが残っているのにガス欠になる!ということが少ない)

H4*2灯式ヘッドライト(Loでも2灯点灯なので、必要十分に明るく、また、汎用性のあるH4球なのはコスト面でも大きい)

F,R共にフルアジャスタブルのサスペンション(細かいセッティングが出来るのは大きい。が、CEOは今の所、荷物積載時のRのプリロード以外調整していません)

小径化クラッチによる、軽いワイヤー式クラッチレバー(1,000ccの排気量のマシンとしては、かなりクラッチが軽い。頻繁なクラッチワークでも疲れにくいのは日常使用から長時間乗る場合等にも非常にメリットが大きい)

整備性の良さ(小さなハーフカウルなので、かなり整備性は良好。転倒時にもFウインカーやカウル自体がある程度しなるので、損害が出にくい。フュエルタンクもヒンジですぐに持ち上がるので、エアクリやバッテリーにもアクセスはしやすい。)


機体バランスの良さ
上記の装備もさることながら、これに尽きる。エンジン、車体、等々のバランスが良い為、乗りやすく不安が少ない。使い方にもよるのだろうが、結果として各部への負担が少ないのか、非常に消耗部分の劣化が少ない。純正装着タイヤのメッツラーZ4Yは、F,R共21,000kmまで保ったし、純正Fブレーキパッドは、24500kmまで保った。ケチればまだ使えたが 笑
[以前、スズキのGSF1200S(現行型の一つ前のモデル)に乗っていたが、600の車体に1200のエンジンを積んでいるだけのことはあり、評判通りの機体バランスの悪さで、ポジションは楽でダッシュ力は非凡なものを示すも、雨天等では些細なことでリヤが滑り、非常に危険であった。消耗品の寿命の短さには定評があるスズキならではとでもいうべきか、タイヤもブレーキパッドもエアクリーナーエレメント(これは7,000kmで要交換!)もチェーンも10,000km前後で全て交換という有様であった。]

悪い所

フュエルタンクの前を止めているネジが、そのままでは緩んでくる。対策としては薄いゴムを適当な長さに切り、ステーの下(フレームとの当たり面)に両面テープで貼り付ける。'03モデルからは、ネジが一回り大きくなっており、改善されている。ちなみにネジだけ換えることは不可。フレームをネジ切り直せば可能だろう。

ヘルメットホルダーの位置が悪く、全く使えない。そのままでは後席用のフットレストやステーと干渉して、まるでフットレストにヘルメットを被せるようにしないと掛けられない。更に、CEOの場合はパニアケース装着用のキャリアステー等がついており、そのままでは完全に使用不能である。現在の所、ワイヤーを使って掛けている。

足つきが多少悪い。CEOは斜面以外では乗ったまま取り回すが、両足ベッタリとはとてもいかない為、多少面倒である。身長の低い人や、ビギナーには少し苦しいかも知れない。

シート下の積載能力は、かなり低い。U字ロックホルダーはあるものの、何らかの荷物を積むようなことにはほぼ使えない。車載工具と工具の+αと書類の他は入れる気にならない。

キーシリンダーが良くない。CEOのキーシリンダーのカバーは既に開きっ放しである。で、そのままでは回転が渋くなり、ひどくなると廻らなくなり非常に不快である。コストの面もあるのだろうが、CEOとしては、H.I.S.S.のようなセキュリティシステムを組み込んで、シリンダー自体にも金をかけるべきであろうと思う。この部分だけは、タンクキャップやヘルメットホルダーの3点セットということもあり、後から対策するのは面倒すぎる。

2003/05/15

おまけ   カタログデータと後軸出力の差

FZS1000はカタログ上ではパワー及トルクが 143.1PS/10000rpm  10.8kg/m/7500rpm の数値を出しているが、後軸出力では約1割減程度の130PS弱/10kg/m のようだ。

CEOのFZS1000も、洒落で139,000kmもの走行距離でパワーチェックして貰った所、上の画像の通り114.2PS/9.2kg/m の数値であった。
A/F比はオイル燃焼の為センサーが正常に作動せず測定不能であった。
距離を考えれば、1割減程度でまあ、妥当といえば妥当かなあ、、、、

ただ、CEOが使わないかなりの高回転域ではオイル上がりか下がりをおこしており、オイルが燃焼してかなり大変であった(苦笑)
大人しく使う分には左程は問題は無さそうであるが、距離相応には消耗しており、200,000kmまで持たせられるかどうかが多少心許無いと感じさせられたが。

2004/08/10

ビギナーに対してのバイク選びの参考意見