<或る旅の記録 3 2004/09/01-24 北海道 中編>

前編からの続き

9/6 6日目
0700頃起床。天候は曇。本日は苫小牧に上陸するcannnabis氏と合流予定である。苫小牧近辺までの移動も必要なのであまり寄り道は出来ない。雨が降らなければ野営でよいのだが、、、、どうにも不安な天候である。

朝食を済ませ、出発。R277を日本海側まで抜け、R229に入る。車も少なく快適であるが、、、これで天候さえ晴れていたらと思う。
瀬棚市街を抜け、北上したところで茂津多岬に寄り道することにする。が、、、距離は大した事は無いのだがきつい登りの未舗装部分が結構あり、しかも深砂利で非常にきつい、、ケツに荷重が寄りすぎの上、急な登りではフロントが不安になる、、、、引き返そうか?とすら考えた程だったが強行、、、何とか登りきる。
登ってみると、海抜日本一の灯台があるだけの静かな場所であった。勿論、灯台がそんなに高いのではなく、290mの断崖上の立地条件が大きいのだが。流石に見晴らしはすこぶる良いのだが、、、、曇天で見通しが殆んど利かないのが残念である。

トンガリ屋根が魅力的な茂津多灯台

下りのほうがバランス的には安定するのか左程苦労も無くR229に復帰し北へ向かう。特に施設等も無い区間が続くのだが、、、、何か違和感がある。多分道幅が以前より太くなってると思われる。改良されるのは良いことなのだろうが、、以前の感覚と変わってしまっていくのが何と言うか、、、ね。

島牧の道の駅で小休止。ライダーもちらほら。9月だというのに結構残っているもんだな、、。再出発し、本目より523号で東に向かい、高原を抜ける。と、東が暗雲立ち込めている、、、とはいえ東に向かわないとどうすることも出来ないし、、、ま、降雨はいつものことだしな。程なく小雨。

黒松内まで抜け、266号でR5に接続し、北東へ。ニセコから羊蹄山南側を反時計回りに66号〜97号で廻る。天気がよくないので山頂も見えないし、疲労もあるので温泉に入る事にする。京極町の京極温泉で入浴。のんびり時間を使ったせいか、一応雨は上がっていた。

連絡を取り合った結果、雨天の為野営は諦めて支笏湖畔のライダーハウス「モラップ樽前荘」にて合流、宿泊ということにする。好天なら、支笏湖畔美笛野営場がロケーションが良く、オススメだったのだが。

R276で東に向かい、広島峠、美笛峠と越えて支笏湖畔へ。再び降雨。湖畔の道を楽しむといった状況でもなく、、、久しぶりに予定通り夕刻に目的地であるRHに到着。RHを利用するのも悪くは無いのだが、個人的には折角の野営装備が無駄になるのとかもあるし、最近は全く利用していなかった。 ここは景観、敷地の構造も良く、かなり良質のRHであった。天候の所為もあると思うが利用者もそこそこでした。

ここでcannabis氏の友人と先に会い、氏の到着を待つ事になるが、、フェリー到着も結構遅かったので結局かなり遅くなってからであった。その前に夕食はRHでジンギスカンをやるとのことで参加する事にして、久しぶりに賑やかな食事となった。たまにはこういうのも良いか。

明日1日はcannabis氏と友人に同行することになるのだが、ニセコ〜積丹半島〜小樽〜と向かう事になった。野営予定地は行ける所次第(笑)

9/7 7日目
起床し、天候情報を確認するが、、、イマイチ不安定である上に台風の事も気にかかる。現状は降っていないが曇。簡単に朝食を取り、出発。
要望により、私が先頭を任され、cannabis氏(FZ400)が次、その友人(VTR1000)という順であった。排気量が大きい方が後ろになるのはペース合わせからいって正解だ。私が経験と年を食ってベテランになったということだろうが、、、 ちゃんとリードすべき所はやらないと。

まず、すぐ近くの丸山遠見望楼に寄り道することにする。(私の友人W氏のススメ)マップルを見る限りでは、R276を東に向かうと南側に林道の入り口があるように書かれているのだが、、見つからない。しかたなくR276が右折後、もう少し南下した所の、出口にしようと思っていたところから進入。(特に標識等は無し) 二人とも未舗装林道は初めてであったのでとにかくゆっくり走る事にする。まあ、Fブレーキをあまり使わないこととエンジンブレーキを使うようにすれば左程恐れる事はないのだが。ここの林道は特に荒れてはいないし高低差も少なかった。で、少し高台になった所に結構な高さの木組みの望楼があるわけだが、登ってみると流石に壮観で、見渡すと360度全てが緑の森であった。相変わらず曇だが、それほどは視界も遮られていない。

丸山遠見望楼より樹海を望む

勿論楽しみ方は各人それぞれではあるのだが、林道に入ってこういう楽しみに触れるのも悪くないと思う。左程身構えなくとも簡単な林道なら入っていけることは証明できたかな、、彼等がこれからも林道に入るかは自分次第だ。

さて、林道から出るべく北上するのだが、不安点はさっき入り口が見つからなかった事で、、最悪引き返すことも考慮していたが、、何とか出口のゲートが見つかった。ゲート自体はロックされていないので出入りは自由のようだ。で、舗装路に出ると、、R276が右折(南向き)した交差点のすぐ南の作業場のような施設が入り口で、確かに非常に判りにくいのだが、これなら林道には「西に向いて」進入するようになっており、マップルの書き方と進入位置、道の場所は決定的に間違っている!

兎も角、R276で西へ。要望によりペースは70〜80くらいにする。意図的に国道から外れたりしつつ羊蹄山北側を通り、58号でニセコ高原を登る。標高が上がると多少冷えるし、雲量も多くもう一つすっきりしない。下りの66号で岩内に向かって下る。ちらほら海まで見通せるいいシチュエーションだ。ここは道幅も広く、自由に走行したいとの要望で下で集合にして自由走行。とはいえリヤが重いので控えめに走る。

岩内からR229で積丹半島の海岸線を走る。少々降雨。ここも道が結構改良されており走りやすいように感じる。その昔には積丹半島は道路未開通で一周できなかったし、大規模なトンネル崩落事故もあったしなあ、、
北上し、景勝地である神威岬で観光客に混じって登坂、見物。とはいえあまり時間も体力も無い(二人にはあったかも 苦笑)ので灯台までは行かなかった。

神威岬 悪天候時以外は灯台まで行けるが強風の日が多い

R229に復帰し東に向かい、遅めの昼食にこのあたりにある行きつけの雲丹丼屋の「なぎさ」に寄ったのだが、、あいにく既に在庫切れでつい先日シーズン終了となっていた、、仕方なく他の店に行き、運良く今シーズン最後付近の雲丹丼を食す。贅沢な食い物だが、やはり美味しい。

913号にスイッチし、海岸沿いに進み積丹岬へ。ここも駐車場から結構な?登坂、、、若い二人にはついていけんぞ、、断崖からの景色は悪くないのだが、、、やはり降雨ゆえいま一つだ、、。

今日の野営地が未決のまま来たが、情報によるとどうやら台風が来そうなのでライダーハウスでも利用しようかという事になり連絡をとってみたが、この天候ゆえ流石にめぼしい所は満員で、仕方なく札幌市内の健康センター(24時間営業の温泉施設)に向かう事にする。

R229に復帰し、積丹から市街に復帰した所(余市)で給油。今回のトリップはなんと477、5km 給油量は18.4L 燃費は25.95km/L
残量は2L弱あったはずだし500km以上まで行ける調子だったが、つまらん事に拘って同行者に迷惑を掛けるわけにはいかない!、、、とはいえちと残念(笑)フル装備でこの燃費なので上出来だな、、、。

小樽市内に入ったところであたりも暗くなる。あいかわらず降雨。市内観光もせずに運河を横目に見つつ先を急ぐ。もとより運河沿いはカップル以外のライダーがうろついて様になるところではないしな、、、。

体力面や天候等、不安要素も大きくなってきたので小樽から札幌西ICまで高速を使う事にする。R5はしょっちゅう渋滞するのでキツイ。あまり余計な事を考えず、とにかく安全且つ適度に急ぐ。
札幌西ICで降りて、R5を少し西にもどり、健康センターを捜す。マップルの地図は市街では大体の位置しかわからないので、カンが頼りだ(笑)交番があればそこで聞くのが一番だが。雨天の市街走行の中でも、何とか健康センターのネオンサインを遠くから発見し、無事に到着。台風なので風の影響が少ない場所を捜し、事務所の陰で二面が壁のところに壁すれすれにバイクをとめる。

利用料は¥1050+夜間¥1050でまあ妥当か。フツーにライダーが利用しても問題ないので緊急時にはこういう選択肢もアリだろう。とにかく温泉で生き返り、仮眠室で寝る。

9/8 8日目
朝起きて、贅沢にも朝風呂に入ってからTV等情報を仕入れる。台風が接近しているようだが、外は晴れている。これなら出れそうだということで出発準備。
バイクのところまで行くが、台風の目にいるわけでもなく晴れているのに、風が強い。とりあえずファミレスで朝食と台風やり過ごしを、と思ったが短距離の移動も危険と判断し、ここで様子見にして歩きで裏のコンビニで食料を購入し、喰う。移動するだけで相当に風の抵抗がある、、、。しかも喰っている間にも風が尋常でない強さになってくる、、、。ここは北海道のはずだが、、、?今までで最強の強風だ!!
バイクが心配なので石や木切れをタイヤに噛ましたりしていたが、風で砂や落ち葉等が叩きつけられて痛いのでヘルメットを被り、ひたすらバイクを支えつづけることになった。

何分、何時間経ったかは不明だが、、、通りかかった従業員に我々の姿があまりに哀れに見えたのか、「危険だしバイクを(シャッター内)車庫に入れてあげるから店内でゆっくりして行きなさい」と言って頂いたので好意に甘える事にする。
車庫にバイクをタキシングするのも一苦労であった、、、支えて貰わなくても大丈夫、と思ったが車庫に入る際ハンドルを切ったときに相当吹っ飛ばされそうになった。(苦笑)
再び健康センター内に戻る。利用料もタダにしてもらったので本当にありがたかった。勿論の事鄭重に礼を述べる。きちんと装備をしていたのにジャケット内まで細かい砂とゴミだらけになっていた、、、。こういう時には湯に入れるのは最高だ。

あとで情報を仕入れると、今回の台風は北海道では史上最強の強風(50m以上!!)で、道内各地で相当な被害を与えたようだ。トラックだろうが飛ばされるのに、バイクではどうしようもないわな、、、移動しなくてよかった、、、。

夕刻になり、外も落ち着いてきたようで、cannabis氏とその友人は出発することにしたのでここで別れる事にする。滅多にに出来ない経験をしたといえばそうなのだが、私と違って日程が短いからそうも言っていられないか。とにかくお互い道中の無事を祈る。
その後私はだれまくって温泉三昧で寝た(笑)

9/9 9日目 
台風一過、、とは言いがたいが、まあ久しぶりにまともな晴天か。とりあえず札幌市内で用事を済ませ、Hit氏と合流すべく十勝方面へ向かう。R274で恵庭、由仁、夕張と抜ける。いい天気で流れも快適だ。ここから日高に向かうが登りの峠道はいまいち流れが悪い。大型車をなんとかパスしつつ先を急ぐ。

が、このまま帯広に向かうと時間が相当余るので寄り道する事にする。日高からR237で北上し、占冠の道の駅で休憩。天気も良いし広い芝生があるので芝生の上で昼寝を決め込む。1時間くらいのんびりしてから出発。北上してかなやま湖畔に向かうべく465号へスイッチし、東へ。湖畔の道は景観もよく快適だ。先行車両が遅すぎてペースは上がらないが、、、、まいいか。

R38に行き当たり、狩勝峠を下り、そのまま帯広に向かう。途中新得で休憩。Hit氏に連絡を取って、帯広郊外のオサルシナイ林間キャンプ場を会合地点に設定する。で、SLが置いてあるので眺めていたら、現地人のオヤジさんと話し込むことになり、SLの構造に詳しくなってしまった(笑)。

保存の良い蒸気機関車 D51−95番 ちなみにD=片側駆動輪が4 

再び帯広に向かいR38で走る。郊外とはいえ道路脇が随分市街地の風景になってくる。帯広市内では買い物及び寄り道を企てる。とりあえず六花亭本店でケーキなぞ食してみる。確かに評判通り非常に美味しい。甘党の方は是非寄ってみるべきである。店員の方も相当鍛えられており好印象。イカニモな観光客が多いのがマイナスだがここでは私もその一人か(笑)。
その後食材調達を試みるが、殆んどそのような店舗が無く時間を浪費。しかたなく駅前まで戻り大型スーパーで買い物。

ここからキャンプ場まで10km強だとおもったが、、帰宅ラッシュ?に巻き込まれ市内から出るのもなかなか進まない。そうこうしているうちに落日、、。 不安としてキャンプ場が未舗装林道の中間にあるので道を間違うと大変なことに、、、何とか林道入り口を発見し、真っ暗な林道に突入。随分遅れているので可能な限り飛ばす。地図上の位置がアバウトで心配だったが、、、、ようやくキャンプ場の灯りらしきものを発見。なんとかHit氏とその友人との合流を果たす。

ここのキャンプ場もシーズンオフで閉まっていたが設備は使えて何とか、、、 先に食事にかかっておられたが、追加で作って楽しく食事と歓談で過ごす。
郊外の林道の途中にあるにも関わらず、何台か車がやってくるのにはちょっと不安を覚えたりもした(笑)何かあったら助けも何もあったもんじゃあないしな、、、

明日の事もあるので早め?の就寝。晴れが続くと良いのだが。

9/10 10日目

今日は私がゲストとしてHit氏一行についていくことになる。で、朝から多少北に行ったところにあるナイタイ高原牧場に向かう。天気も晴れでいい感じである。
R241にでてそのまま北上、806号にスイッチし、牧場へ。登りの道も非常に良い風景で一種の別世界である。が、7時より開いているとの事だったが売店は普通の時刻にしか開かないらしく、待つことになる(苦笑)

ナイタイ高原牧場より十勝平野を見下ろす

売店で飲食、土産等購入し、堪能して帰路へ。せっかくなので温泉に入りにいくことにし、近くの亀の子荘へ。残念ながら露天風呂が清掃中であったが、昨日は風呂に入っていなかったし湯に浸かってのんびりする。

Hit氏一行は日程的にも期限が迫っており、フェリーが出る苫小牧に近づく為に士幌付近で別れることとなり、互いの道中の無事を祈る。

一人になり、昼食をとりつつ予定を考える。友人W氏が来る予定の20日以降までには相当日数があるが、合流後に回る場所も考慮しておかなくてはならない。 さしあたって、ここから比較的近所で以前行けなかったヌプントムラウシ温泉に行くことにする。ここは北海道の中心とも言うべき十勝岳連峰の南にある、林道 を相当進んだ所にある露天風呂である。台風の被害で行けないかも知れないが、、、とにかく行けるだけ行ってみる。

R274を西に進み、そのまま593号、718号に突き当たってからはひたすら北へ、、と天候がみるみる悪化してくる、、、程なくして降雨、、、
道沿いにはほぼ施設は皆無で、途中小さな集落が1個所だけあるがガススタンドも無い。一応国民宿舎が果ての一方にあるので交通量は僅かにあるとはいえ、何かあったら相当ヤバイなあ、、その分雄大な自然と孤独感等堪能できるか。

718号終点には曙橋という橋があり、ここから先は未舗装林道で、右に行くとヌプントムラウシ温泉、左に行くと国民宿舎とキャンプ場である。雨の中、覚悟を決めて右へ行く。
ここから温泉までは15kmだそうだが、、雨天だし元より飛ばせる道ではないし、、、落ちると昇天のところもありスローペースでいく。道幅は1車線強というところか。相当道中が長く感じられたが、フル装備のTDM900でも引き返したくなるような難所はなく、ぬかるみだけ注意してなんとか走破する。途中に1箇所だけ分岐があるが、きちんと表示が出ており迷う心配はまず無い。 現地には、、オフ車二台とSUV1台があったが、それぞれ避難小屋とテントから出てくる気配も無い。一人で素晴らしい露天風呂を堪能することにする。降雨と標高が上がっている事で多少冷えており、今日は二回目だが湯が本当にありがたい。湯船にゴミが結構入っていたのは台風のせいだろう。掃除道具も常備されており普段は清掃されているようだ。

噴泉塔と温泉小屋 湯船は木造り 水は川から直接、湯は噴泉の湯で調整

日が暮れるまでにキャンプ場に到着すべく、分岐点の曙橋まで戻り、もう一方の道を進む。で、無事に夕刻にはキャンプ場であるトムラウシ自然休養林に着く。ここは登山客の拠点にもなっているようで、結構客がいるが、バイクは他にはいない、、、。途中、3km程手前でチャリダ−を抜いたが、、何時までたっても到着しないので国民宿舎に泊りか?と思ったら、、こちらが食事終了した3時間以上経った後にようやく到着! お疲れ様です、、、
食後に外でのんびりしていたら、標高故か場所の所為か異様に冷える。で、着込んでさっさと寝ることにする。

(後編に続く)

2004/11/27