<或る日の武勇伝/或いは間抜けな話 5>

御題 天下の険

CEOの友人W氏が横浜の大学に在学していたときに、春休みに遊びに行き、帰りに彼を乗せて帰阪しようとしたときの話である。

帰阪予定の日は日中雨天の予報であったので(苦笑)、雨を避けるためにその日の夜からの出発にしたのだが、、、、
結局その日は雨は降らず、出発してから小雨が降り始めた。
バイクはいつものTDM850、装備的には一人分の装備しかなく、レインウェアはW氏に貸し、CEOはライディングジャケットとオーバーパンツで乗り切ろうとしたが、、、
箱根に差し掛かると、気温も下がり雨が雪に変わってきた。何とかなるだろうと思ってそのまま山越えを目指すが、雪の降りは酷くなるばかり。結構道路の外には積もっているが、路面はまだ凍結はしてないのでそれでもひたすら峠を目指してゆっくり登っていたが、、

いきなり後輪が滑って転倒した、、、!
車体も人間もダメージは無かったが、これ以上は危険と判断して引き返すことにする。が、下りの方が走りにくく、うかつにFブレーキをかけて車体が相当横を向いたりした、、、で、後ろのW氏に降りてもらい、安全な路面のところまで降りようとしたら、まったく止まれる所が無く、相当下ったところの温水が流れていて雪が無い場所まで降りていくことになり、W氏に「どこまで行ってるんだ、、、、」と文句をいわれたりもした(苦笑)

で、箱根から下り、仕方なく御殿場のほうに迂回することにしたが、、、
とにかく濡れて寒く、暖かい飲み物を飲んだり、食べたりする事で乗り切ることにした、、、あまりペースも上がらないが、とにかく走った、、
で、夜中のあるチャンポン屋で、我等がよほどひどい状況に見えたのか、ある運送会社の人が話し掛けてきて、危ないからといって親切にもその会社の待機所で朝まで休ませて戴くことになった。シャワーも使わせて貰ったし、本当に有り難かった、、。次の日の朝、勿論の事丁寧に礼を述べて出発した。

その後も思ったよりペースは上がらなかったが、何とか夜中には帰宅することが出来た。
しかし、W氏は、「タンデムは二度と御免だ!」というようになった(笑)
その後、彼は警察官になり、バイクの免許取得が必須なので取得してバイクに乗るようになった。CEOがバイク乗りになるよう洗脳した唯一の人物である(笑)

旅の最中は、このように良く助けられたりする機会があったし、CEOも出来るだけ助けるようにしている。バイクの積載量と一人で出来ることには限界があるので、あらゆる状況に対応するのは不可能であるし。

2004/04/10