先日、明らかにクラッチが滑っている症状が発生した。クラッチケーブルの張りすぎか何かでモトクロスコースを一日中走り続けたりしたので
損傷させたと思われる。
予備E/Gが二基もあるので部品取りも考えたが、コストが異様に低いので部品調達しての換装を選択。
必要部材(訂正版)
11061-0214 クラッチカバーガスケット(\410/)
13088-1077 アウタフリクションプレート(\998/)
13088-0040 ミドルフリクションプレート(\662/)×3
13088-0041 インナフリクションプレート(\662/)
13089-1108 スチールプレート (\200/)×4
92049-0142 オイルシール クラッチレリーズシャフト(\168/)※本来、クラッチレリーズシャフトを抜いた際には要交換
92145-0759 クラッチスプリング (\221/)×4
92144-1289 スプリング(皿バネ) (\798/)※本来交換不要
13183-1274 スプリングシート(クラッチ イン側) (\462/)※本来交換不要
8/10/14/17mmソケット
6mmHEXレンチ
ブレーカーバーorインパクトレンチ/ラチェット
スプリングフック
プラハンマー
トルクレンチ
二硫化モリブデングリス(組み付け用)
パーツクリーナー
オイルストーン
スクレーパー(ガスケット剥がし マシなモノを)
ガスケットリムーバー(ケミカル)
ウエス
ネジロック中強度用
手順
まず、エンジンオイルを抜いておく
車体右から、フロントステップ(HEX6mm×2)、Rマスターシリンダ(8mm×2)を外し、Rブレーキスイッチスプリングとブレーキペダルリターンスプリングを外す。
先にクラッチケーブルガイド(8mm×2)を外し、ケーブルをリリースレバーから外しておく。レリーズシャフトは極力抜かないようにすること(抜くと要シール交換指定)
その後、クラッチカバーボルトをすべて外す。(8mm×10)
プラハンマー等で打撃を与え、クラッチカバーを外す。二箇所のダウエルピン(ノックピン)をキチンと回収しておくこと。
クラッチを触る場合でも、先にガスケットを軽く剥がし、残りにケミカルのガスケットリムーバーを噴霧して以後の作業を容易にしておくと良い。
クラッチセンターにあるオープンベアリングを先に回収する。簡単に手で取れる。
その内側のクラッチハブボルト(14mm)を外す。インパクトレンチがあれば特殊工具は必要ない。無ければ特殊工具等で回り留めを。
クラッチハブASSYを引き出す。その前にクラッチハブのボルト4本を少し緩めておくと能率が良い。
ボルト4本を均等に緩めて外す。内容物が多いが配列を維持したまま並べておくことを推奨。
上から、ボルトを締めて「蓋」になるクラッチスプリングプレート/ボルト4本
クラッチスプリング
クラッチプレート類を収めるクラッチホルダ
スプリングシート(リング上のプレート)>その下に、スプリング(「内側が盛り上がった」=上になるリング状の皿バネ)>それらの外側 アウタフリクションプレート
スチールプレート
ミドルフリクションプレート
スチールプレート
ミドルフリクションプレート
スチールプレート
ミドルフリクションプレート
スチールプレート
インナフリクションプレート(ミドルと同形状 識別用に外周に赤ペイント有り)
クラッチホイール(底)
の配列になる。
組み付ける際には、新品に換装するならプレート類にエンジンオイルを塗布しておくこと。アウタフリクションプレートの爪は、インナ/ミドルの爪と1/2ピッチ離して組む。
クラッチハウジングの溝には、インナ/ミドルは深い溝に入れ、アウタのみは浅い方の溝に入れる。
スプリングを入れてクラッチスプリングプレートを乗せ、ボルトを均等に締めこんでいく。(8.8Nm)
クラッチハブASSYが組み上がったら、シャフトに二硫化モリブデングリスを塗布し、組み付ける。クラッチハブボルトにネジロックを塗布し、回り留めをして組み付ける。(65Nm)
ガスケットをスクレーパーでキチンと掻き落とし、最後はオイルストーンで仕上げる。その後パーツクリーナーで清掃し、ガスケットをダウエルピンで留め、クラッチカバー側のクラッチプッシャに二硫化モリブデングリスを塗布する。
キチンとセンターにベアリングを嵌め込で脱落しないようにクラッチカバーを取り付ける。(脱落するとクラッチレリーズにテンションが無くなる)
対角線に締めこんで行きトルクは9.8Nm。クラッチケーブルもキチンとリリースレバーに通し、ガイドも共締めしておくこと。
他の各部を組み付け、エンジンオイルを入れて終了。
2011/12/03
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追記 1 異なる使用状況の機体のクラッチ
先日、KLX125Cのブロガー MERON氏のクラッチ交換作業を行ったのだが、7,000km程度の走行だったが、兵カン等の半クラ走行やウィリー等で消耗したせいか、アウターフリクションプレートのみが焼けたようになっていた当方の機体状況とは大きく異なり、全般的に摩滅消耗している感じだった。
特に、クラッチスプリングがヘタってきており、規定値40.2mm>使用限度38.4mmだが、、、、4本とも使用限度を切っていた。
今回はそのまま様子見で誤魔化したが、シビアコンディションの場合はなるべく全部換えたほうが良いのかも知れない。
ちなみにサービスマニュアルでもフリクションプレートは目視(変色等)と厚み(限界 小2.6mm 大3.2mm)、スチールプレートは歪み(限界0.3mm)と、端から全交換ではないが、煩雑さとコストを考慮すれば、態々エンジンカバー外してキチンと測定してから部品オーダーという流れは難しいだろう。
コスト低減には、全部オーダーして換装しておき、まだ使えそうな部品はストックという手もあるが、、、、
取り敢えず全部記載しておく。
必要部材
11061-0214 クラッチカバーガスケット(\410/)
13088-1077 アウタフリクションプレート(\998/)
13088-0040 ミドルフリクションプレート(\662/)×3
13088-0041 インナフリクションプレート(\662/)
13089-1108 スチールプレート (\200/)×4
92049-0142 オイルシール クラッチレリーズシャフト(\168/)※本来、クラッチレリーズシャフトを抜いた際には要交換
92145-0759 クラッチスプリング (\221/)×4
92144-1289 スプリング(皿バネ) (\798/)※本来交換不要
13183-1274 スプリングシート(クラッチ イン側) (\462/)※本来交換不要
2012/10/08
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追記 2 再度クラッチ板換装と部品流用失敗
先日、またしてもクラッチ板の滑りが発生したので再度クラッチ板を換装した。
ので画像を追加しておく
クラッチカバー取り外し
オイルストーンとガスケット
新しいガスケット 位置決めと新しいガスケット取り付けに便利なのがダウエルピン(クラッチカバー左右端にある金属ピン)
今回は、全体的にクラッチ板が焼けているようだった。あと、、、クラッチスプリングがヘタり易いので、径は同じKLX140/L用クラッチスプリングと≒のNinja250R(〜2012)用クラッチスプリングを組んでみたのだが、、、、
残念ながら、このスプリングでは重すぎる上に調整してもクラッチがキチンと切れない半クラ状態になるので、諦めてノーマルスプリングを調達することにする。
以後は、クラッチ板を換える機会には確実にクラッチスプリングも換えるようにするべきだろう。今回も、規定値40.2mm>使用限度38.4mm 測定36.2〜36.3mmと使用限界をかなり下回っていた。
2013/03/31
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追記 3 クラッチカバーボルトの換装 他
上記の対応と並行して、純正品のクラッチカバーボルトはタイランド製のユニクロフランジ付8mmボルト(M6/P1.0/L45mm)で、品質も良くないようですぐに舐めそうになるので、ステン製に換える事にした。
ホームセンター系ではステンのHEXキャップボルトのL45mmが見当たらないので、ネットのネジ専門店よりオーダーした。
ネジのトミモリステンレスフランジ付HEXキャップボルト M6/P1.0/L45mm(3本 \360/KLX125Cのクラッチカバーには12本必要)
態々ネットで外品をオーダーするので、フツーのキャップボルトではなく安定した締め付けが期待できる「フランジ付き」を選択。
※「警告」 この店は「楽天」経由でオーダーするので、捨てメアドの使用を推奨!
コレで、材質はワンランク上のステンになった上に5mmHEXレンチが使えるので舐めるコトは減少する。コストとしては\1,440+送料。クラッチ交換を頻繁に行うような仁なら換えておくのも良いだろう。
ステンレスフランジ付きキャップボルト
あと、、、、、、、、、、、、追記 2の問題は、当方の「作業ミス」による症状だった。
ので、Ninja250R(〜2012)用クラッチスプリングを組んでも多分問題ないと思われる。
具体的には、皿バネの向きと、皿バネ>スプリングシートと組んであり。この二つをセットで間違えて組んでいた、、、、、
コレがクラッチが重かった理由。
もう一つ、前回はクラッチハウジングまで外したのだが、、、クラッチハブASSY>ワッシャー>クラッチハウジング>カラー>スペーサー(ワッシャとほぼ同一形状)
と配列を、、、、、クラッチハブASSY>クラッチハウジング>カラー>「ワッシャー」>スペーサー(ワッシャーとほぼ同一形状)
と間違えて組んでいた。コレがクラッチレバーを握っても半クラ状態だった理由。
慣れによる慢心と時間/用意の手抜き、確認不足等による凡ミスである。やはりキチンとサービスマニュアルを用意して確認しながら作業すべきである。
それと、今回は短期間でのクラッチカバー開けた為、ガスケットは張り付いていなかったのでそのままにしてある。
2013/04/20
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