<フロントフォークオイル交換/OH >

今回、22,000kmの走行距離で、’04〜用スプリングに換装しようと試みて無理だったのでオイル交換のみ作業した。個人的にはフォークオイル交換は30,000km毎程度を目処にしているが、これは各人使用状況や好みに応じて年数や距離で交換すれば良いだろう。



必要部品
フォークオイル10w 約1L (〜’03は規定量507cc×2だが、完全O/Hでなければ全量抜けることは無いし、1Lボトルには1Lチョイ入っていることも多い)


Oリング (35mm/3.5mm)(\43/)×2
必要工具等
バイク用ジャッキ
フォークオイルレベルゲージ若しくは巻尺
オイルパン
ピックツール
ヘキサゴンレンチ/ソケット 4mm/6mm/19mm
ラチェット+10mm/12mmソケット
メガネレンチ10mm/27mm orセミディープソケット27mm
他適宜


作業手順

まず、フォークキャップを緩める。(27mm)
アジャスタの突き出しが邪魔で普通のソケットでは作業できない為、セミディープソケットを調達して使うのが無難か。今回は普通のソケットで無理矢理且つ慎重に作業した。メガネも作業空間が狭く、薄いボルトをなめるのが怖い。プリロードをかけてアジャスタ部を低くすると最後に蓋をするときに苦労しそうなので止めておいた。

フロントホイール、フェンダー、キャリパーを外す
右側フロントフォークのアクスル緩み止めボルト(6mmHEX)を外し、アクスルを緩めておき(19mmHEX)、キャリパーを外して(12mm×4 ホース部10mm×2)フェンダーを外し(4mmHEX×2 10mm/10mm×2)、ジャッキアップしてアクスルを抜き、ホイールを外す。

ブレーキホースを止めている右側フロントフォークの10mmボルトを外す(これを外さないとアンダーブラケットの6mmHEXが外せない 狭いのでオフセット無のレンチやギアレンチを使うと良い)
ヘキサレンチ等でアンダーブラケットの6mmHEX×4を緩める。作業空間が無い為、HEXのロングビットは使用不能。工夫して工具を組み合わせるとかして緩める事。今回、明らかにオーバートルク気味で強固に締め付けられていた為、作業空間が無いのもあって非常に難儀した上なめる寸前であった。(ネジは交換する予定)L型HEXレンチをクニペックスプライヤーでくわえて無理矢理廻した。カジリ防止のケミカル等を使うのも良いだろう。

アッパブラケットの6mmHEX×2を緩め、フォークを抜く。こちらも作業空間は狭いので注意。タイラップがあるので抜く際と取り付けの際には気をつけること。

キャップを外し、オイルを排出する。ワッシャやカラーをきちんと管理する事。
スプリング自由長は314mm(リミットは308mm)
今回、キャップボルトのOリングは未交換にしておいたが、本来交換すべきである。キャップボルト自体をばらすのもやっていないし、内側にOリングもありそうなので次回は確認しておくつもりである。キャップボルトが長いロッドと一体構造なので破損しないよう注意(ちなみに約¥8,500もする)

新しいオイルを入れ、静かに何度かストロークさせて10分程度置いておく。その後インナーチューブを下まで縮めて液面で測定する。スプリング等無で上端から133mmである。
スプリングは密が上。
スプリング/ワッシャー/スペーサー/Cワッシャーの順で組み、キャップボルトを締める。キャップボルトのロッドには方向があり、何度か廻したりしてインナーチューブを伸ばすとキャップボルトに無理なく届くように装着するように。決して無理に押し込もうとしない事!

インナーチューブ表面、ブラケットを点検/研磨し、組み付ける。必要に応じてメタルラバー等のケミカルの使用も良いだろう。※最近はドライタイプであるワコーズ フッ素オイルを常用

逆の手順で取り付けて終了。キャップの本締め等、締め忘れ等の確認を怠らない事。

2005/02/13

追記

FフォークOリングは、やはり汎用品35mm/3.5mm(純正なら4V4-23188-L0) で適合したが、アジャスタインナーの小さい方はFZS1000のと同径でも線径が太いOリングが入っていた。

多分18mm/2mmだと思うが、今後確認しておく。

追記 2 インナーチューブ換装/オイルシール換装

本日、追突事故で損傷したインナーチューブとオイルシールを換装した。他の車種とは工程に異なる部分があり、かなり混乱した、、、

必要部品
5PS-23110-00 .インナーチューブ(02〜03用 スライドメタル2付)  \24,990×2
4PU-23144-00 .ダストシール          \ 788 ×2
4PU-23145-01 .オイルシール          \ 998 ×2
3GM-23125-00 .スライドメタル1        \1,187 ×2
509-23158-L0 .ガスケット ボルト     \210 ×2

特殊工具
90890-01375 ダンパーロッドホルダー(29mm)(注 ソケット等でも保持可能と思われ)

 

作業手順

フォークを外してオイルを排出するところまでは同じ。(サイドパネル左右は外した方が効率が良い)

Tハンドルにエクステンションを接続し、ダンパーロッドホルダーで廻り止めをかけて8mmHEXロングビットで底のボルトを外し、オイルをキチンと排出し、マイナスドライバーでダストシールを浮かせて外し、内側のシールクリップを外し、、二人掛りでインナーを抜くか、万力を使って抜くか、+"3ドライバーをキャリパ穴に通して足で保持して抜く。

インナーチューブ内側にあるダンパーロッドと、ダンパーロッドスプリングを回収し、樹脂製オイルロックピースを下に抜き取って外す。  

インナーチューブからスライドメタル1、ワッシャー、オイルシールを抜き取り、各部を点検、清掃する。
スライドメタルのみ換える場合はマイナスドライバーで広げてインナーチューブから抜き、フォークオイルを塗布し、新品に換装する。インナーチューブASSYで換える場合はそのまま。

ダンパーロッドスプリングにダンパーロッドを通し、インナーチューブに落とし込み下からオイルロックピースを当て、アウターチューブと組み合わせる。

底のボルトを新品のガスケットに換えネジロックを塗布し、ダンパーロッドホルダーで廻り止めをかけて8mmHEXロングビットで締め付ける。(30Nm) 

ここでスライドメタル1にフォークオイルを塗布し、インナーチューブに通し、ワッシャを上に通し、フォークシールドライバーで打ち込む。(この工程はTDM900以外やった事は無い コレをやらないとオイルシールが打ち込めない)

オイルシールにシリコングリスを塗布し、樹脂袋等を利用してインナーチューブに通し、フォークシールドライバーで打ち込み、シールクリップが溝に収まるようにする。

ダストシールにもシリコングリスを塗布し、マイナスドライバーで押し込み組み付ける。

後の手順は同じ。締め付けトルクはフォークキャップ23Nm、アッパーブラケットピンチボルト26Nm、ロワー ブラケットピンチボルト28Nm。ブレーキキャリパ40Nm。

2009/08/09

追記 3 注意点

TDM900は〜'03と'04〜でフロントフォークの構造が変更になっている。

ので、'04以降のモデルではフォークオイル量は545cc(×2 つまり1,090cc)、液面は上端より127mmになる。



2009/12/08

追記 4  使用フォークオイル

何も考えずに純正指定品なら10wのフォークオイル、 ヤマハかスズキ純正の10wを調達すれば良い。この二つはラベル違いの同一商品と思われ。

前回と前々回は、缶が凹んで捨て値で売っていたWAKO'Sの10Wがあったのでソレを使っていたのだが、、、、
「\200」にしては純正より感触は良かったが。(笑)

今回は、almina氏推奨のASHフォークオイルの適合粘度品「#FD30」を使ってみた。
almina氏の粘度チョイスは「#FD33」で、純正指定オイルの粘度よりやや上なのだが、CEOは純正粘度よりやや下の「#FD30」にしてみた。他の設定変更はせず、「標準」で組んでみた。

本日、走らせてみると、確かに違う、、、、、
いつもの擬似緊急回避高速レーンジチェンジ(所謂エルクテスト)を行なっても、以前より良く追従してくれる。単なる車線変更でもバンク時でも感触が良い。
腕が無いのでアレなのだが、一段と寝かしこんでいける感覚だ。

後は耐久性の評価やコスト面での問題だろう。流石に\3,528/Lの高コストで値引きもほぼ無いと業務での常用にはキツイし、扱い店が周りに無いと通販でも送料がキツイ。

それでもまあ、高コストを許容できるのならそれに見合うだけの価値はあると思われる。

2011/05/16