<ドライブチェーン及びドライブ/ドリブンスプロケット点検/換装 >

FZS1000の消耗品は、過負荷を掛けなければかなり長寿命である。ドライブチェーンはつい先日、62,800kmまで使用した。勿論、添加剤の効果もあるだろうし、乗り方や使用状況によって全く違うとは思うが。
実際、チェーンは伸びきっておらず、一部固着とまではいかないが、コマの動きが硬くなっていたので即スプロケと3点セットで交換した。チェーン引きも結局3回くらいしかしなかった。

普通、チェーンの劣化は伸びで判断することが多いが、まあ、毎日の注油の際(CEOは平均1日400km程度の走行なので、最低でも2日に一回、普通毎日注油である。)にチェーンの動き等に少し気をつけていれば良いだろう。あと、スプロケの歯の消耗からも判断できるが、今回は、ドリブン側はあまり消耗していなかった。ドライブ側は多少磨耗が見られたが、普段はカバーの中で見えないし、、、。

必要工具
530(50)/120L シールチェーン DID製 50ZVM(12,000/20,000¥程度)
ドライブスプロケット 4XV-17460-00-00 (¥5230/5620)
ドライブスプロケット用ロックワッシャ 90215-30233-00 (¥200/220)
ドリブンスプロケット   5LV-25444-00-00 (\4160/4470) 

モリブデングリス
リチウムグリス

ネジロック
36mmソケット(インパクト用が良いか)
32mmソケット
ブレーカーバー各サイズ(信頼できる長めのモノを)
ラチェット
10mmメガネレンチ
12mmスパナ×2
12mmソケット
14mmソケット
6mmヘキサゴンレンチ
5mmヘキサゴンレンチ(ビットタイプで長めが良い)
タガネ
ハンマー
トルクレンチ
ノギス
チェーンカットツール(南海部品のモノが安くて補修部品も入手しやすく良いだろう)

手順
最初に、ドライブスプロケットを止めているナットを自分で廻せるか?という問題がある。しかも、普通は持っていないサイズの36mmのソケットも用意しなければならない。工場出荷時はかなり頑丈に締まっているし、チェーンを介して力が逃げるのでかなりやりにくい。で、自分では廻せないと思ったら無理はせずにエアーインパクトを持っているショップに行き、緩めるだけはやってもらおう。

先にギアを6速にでも入れておく サイドスタンドを出して作業する。
シフトロッド及びステップを外す 6mmヘキサ×2 10mmボルト×1
スプロケットカバーを外す    5mmヘキサ×4 
シフトロッドは外さなくても、面倒だがカバーは一応は外せる。ナットが緩まなかった時の自走用には必要か

ロックワッシャーの爪を起こす タガネ ハンマーを使う
ナットを廻す   36mm   非常に高トルクが必要なので、注意して行う事。理想は一人はリヤブレーキをかけて、輪留めをして行う。緩んだら新しいスプロケと換装して、ロックワッシャをつけ、綺麗にしたナットにモリブデングリスを塗り、規定トルクで締め付ける(85Nm 8.5m/kg)。で、ロックワッシャの爪を起こす。そこで一旦置いておく。
チェーンを先に換装する カットツールで古いチェーンを切り、新しいチェーンとマスターリンクで仮に繋いで一回りさせる。それから、新しいチェーンは120リンクなので116リンクに詰める(アウタープレート二つ分)チェーンを切る際は、ドリブンスプロケットの歯の所でやると良い。その後、キチンとマスターリンクにOリングとグリスをつけ、プレートを圧入し、きちんとかしめる。ツールがかなり消耗するが、南海部品で安くバラ売りしてくれるので問題は無い。(追記 ツールのネジ部にCRC5-56等を吹き付けると消耗が押さえられるようです)

リヤホイールを外す センタースタンドをかけ、まず、Rキャリパーを外す 12mmボルト×2 その後、Rのアクスルのナットを外す。  32mm×1 アクスルを軽く打ち抜き、リヤホイールを外す。
養生してタイヤを横たえ、ドリブンスプロケットを止めているナットを外す セルフロッキングナットにネジロックされており固いのでブレーカーバーを使う  14mm×6 外したら新しいスプロケットに換装し、ネジロックをつけてナットを締める。順序は対角線式に星型に締めていくこと(69Nm 6.9m/kg)

チェーンにスプロケを掛け、逆の手順で組み付ける。アクスルにはリチウムグリス(と添加剤)でグリスアップしてから組みつける。トルクは、アクスル(150Nm 15m/kg)、Rキャリパーは、(40Nm 4.0m/kg)である。が、先にアクスルは緩めた状態でチェーン引きをする事 12mmスパナ×2、ノギス使用 左右についている目盛はあまり信用せず、目視とノギスでチェーンラインを出す事

スプロケカバーとステップ、シフトロッド(ポンチマークに合わせる)を組み付け、終了。

2003/08/30

補記 各所の点検

後輪を外すのなら、簡単にハブや、ハブダンパー、ベアリングの点検が出来るので同時に行うべきである。
ハブはともかく、ゴム製のハブダンパー(5LV-25364-00-00 ×6)は、使用とともに結構へたってくるので、気が付いたら交換しよう。これを換えるだけでもかなり感触は良くなる。

ベアリングは、ホイールの左右に各1つづつ、ハブにも1つの計3個ある。ガタがなく、スムーズに廻るか確認しておく事。
添加剤をここに使うのも効果的である。グリスと添加剤を混合し、ベアリングに塗布する。アクスルシャフトにも同様に使用する。

2003/09/13

追記  

ドライブスプロケットが焼きつきや錆びで抜けないときには、ギヤプラ−があれば簡単に抜ける。防止の為にも取り付け時に焼きつき防止剤やモリブデングリス等を塗布しておくと良いだろう

2004/04/19